ゆらしナイト vol.9 俺らのルーツ



全国の、ゆらしファンの皆さん、
お久しぶりです。


岳です。

 

この「ゆらしにきました」は、富川岳と柳瀬武彦のごくごく私的なブログメディアです。

ソーシャルメディア全盛の今、瞬間的な”いいね!”を求めずに、

自分たちが面白いと思うことをきちんと考え、説明し、蓄積していこう、ということで始めたブログです。

 

ちなみに「ゆらしにきました」というのは、”フロアゆらしにきたぜ” の丁寧語です。yo!yo!と音楽に乗りながら、謙虚に楽しい場をつくろうyo!、という感じで名付けました。



で、どうせやるなら自分たちのプラスになる事したいよね、と

自分たちが会いたい(話してみたい)人を呼んで、真剣な話をつまみに

カレーを食べる会を始めました。これが「ゆらしナイト」です。

 

 
今回、ゆらしナイトは第9回目。


富川が2016年4月に遠野へ移住してから待望の一年ぶりの開催となりました。




5月の中旬に、9日間をかけて仙台~那須~東京と、自分で作った遠野のガイドブック「THE TONO BOOK」を

直接手渡しで配布するという行脚ツアー(こちら)をしており、東京を回るついでに、久しぶりにゆらそうよ、ということで開催に至りました。

 

 




久々の再開。


タケも僕も1年前とは状況が変わり、
お互いフリーとなりまして、一方は遠野でプロデューサーとして、

一方は引き続き東京でコピーライターとして活動しております。会社員時代が懐かしい。
あ、あと結婚しましたね、お互い。




ちなみにこれは1年前。 
なんだかツルッとしてますね。

 

 

 


 

 

さぁ今日もおなじみカレーをつくります。

ちなみに、執筆/撮影は富川が担当し、
カレーは柳瀬が担当することになっています。

 

 

 





今日はチキンカレーのようです。

 

 


なにやら変わったこととしては、柳瀬宅にスパイスがたくさんあるではありませんか。

instagramでカレーの投稿ばかりしているなぁと思い見ていましたが、ここまでカレーにはまっていたとは。一年ぶりのカレーが楽しみです。

 

 

 

さてさて、そんな1年ぶりのゆらしナイトで誰をお招きしたのでしょう。


一人目は、僕がお声がけした、この方。

 

 

フリーのフォトグラファー、
”ちがけん”こと
千賀 健史さんです。

 

 

 

ちがけんさんは遠野で一緒に活動しているNext Commons lab遠野の

室井舞花の友人で、遠野へ遊びに来てくれた際に知り合いました。


遠野に来てくれた際に、うちの妻のスナックの宣材写真(笑)も撮ってくれまして
叙情感あふれる素敵な写真を撮影してくださいました。妙な色っぽさがあります。

 

 

そんな、ちがけんさんに声をかけたのは

最近、僕が遠野に行ってから写真を撮る機会が増えまして、仕事としても撮るようになった今、写真について勉強したい思いもあり、ちがけんさんがどんなことを考えて写真を撮っているのか聞きたかったからです。

あと、ちがけんさんの、この器の広い笑顔。
もう何かが溢れいて、この人は只者ではない!と思って。


なので、超シンプルに、ちがけんさんについて
知りたいなぁという動悸もありました。(こんなシンプルな理由で呼んでごめんなさい…)

 

ただ、その後、ちがけんさんがアワードでグランプリを受賞したという記事を読んだり、
ちがけんさんの過去の作品集を観たことで、この人に写真のことを聞いてみたいと強く思うようになりました。

(詳しくは後半で)


さぁ着々とカレーができていますyo




そして、もう一人のゲストはこの方。

タケがお声がけした、板垣 潮美(しおみ)さんです。

 

 

 

潮美さんは、タケが最近訪れた

ギャラリーで出会った方。

話をするうちにカレーの話になり(!)

我が家にカレー食べに来ませんか?

という話になったそうです。


潮美姉さんは、
理化学ガラスメーカーが製造する

VISION GLASS(ビジョングラス)を

輸入販売しているお仕事をされているとのこと。ビジョングラスってなんだ。



その他にも、話を聞けば

いろんな仕事を経験している方でして

今日はどんな話が聞けるのやら〜

 

さてさて、ごはんが炊けました。

久々に食べます。
土鍋ごはん。

 

この土鍋は、里山十帖でも使われている
土鍋でして、これで炊いたごはんは
超おいしいんです。


 

なにやらパリパリしたものも用意されています。一年経って、タケカレーも進化しているようです。


さて、同じみのポーズでパチリ。(ちがけんさんに撮影してもらった妻も参加)


よく煮込まれ、スパイスが効いたおいしいカレー。もしも願いが叶うなら、二日目のカレーも食べたい。

 

 

 

 

さてさて、おいしいカレーを食べつつ

 


ちがけんさんのお話をしましょう。

 

 

 



今日はお願いして最新作
「Bird, Night, and then」
持ってきてくださいました。


2017年、第16回 「1_wall」というアワードの
Grand Prixに選ばれた作品です。




舞台は、身分制度が色濃く残るインド。

貧富の差が激しく、親は男の子が生まれるとなんとか医者かエンジニアになることを願い、子どもは親の夢を自分の夢として努力する。結果、夢が叶わず自殺する子どもたちが後を絶たないそうです。


ちがけんさんが旅先のインドで出会った青年「ムケシュ」は、そういった環境の中、病弱な父を救うために
バイトをしながら医者をめざして必死に勉強に励む青年です。親の期待、カーストへの対抗。背中にかかるプレッシャー、切迫した日常。

そして、そんな中、頼りにしていた父がなくなってしまい目標を失ってしまったムケシュ。途方にくれてしまった後、彼はどうしたのか…
 

 

 


写真のはじまりは、ファッションフォトグラファーのアシスタントからスタートしたそうですが、
今は、ドキュメンタリーを主に撮影しているそうです。「ストーリーのあるもの」を。



ちがけんさんの作品のつくり方は
独特で、まず企画に沿った全体のストーリーを組み立てるそうです。絵コンテのような感じで。

その後に、全体の流れを見ながら
必要なカットを洗い出して撮影していくようで。なんだか映像や番組を作るのと似てますね。実にプロデューサー的というか。


これは、ちがけんさんの他の作品を見るとより一層わかるのですが、ただ風景を撮るのではなく、大きな企画があり、その企画を支えるのが個々の写真である、というイメージが
伝わってきます。

 

worksというより、projectという面が強いというか。

 

 ぜひ、ちがけんさんのproject(こちら)を見て欲しいですね。全部見ちゃいました。


また、Bird, Night, and thenの予約受付はこちら。より詳細な説明が書かれています。

 

 


 いろんな写真家、カメラマンがいると思いますが、
こうした撮り方をするのはどうしてなのか。

それは、ちがけんさんが写真家になろうと思ったきっかけに由来しているようです。

 

 

 

ちがけんさんは、大阪大学基礎工学部電子物理科学科卒業。
てっきり写真の専門学校に通って、、と想像してましたが実は物理について勉強していたそうです(!)驚愕。



当時、まだ見ぬ世界を見てみたいという気持ちがあり、
その行き着く先が物理学だったそうです。はぁ〜。

白衣を着ている姿は全く想像できませんが笑、しかし、インドで撮影をしていることや世界40カ国をまわった経験があるということから見てもまだ見ぬ世界をみたいという気持ちが根底にあるんですね。

 

 

きっとその気持ちがあるからこそ、この世界はどうなってるんだろうという妄想から様々な企画が生まれ、project的要素の強い作品が生まれているんじゃないかと思いました。面白いなぁ。

 





次のプロジェクトのひとつにもインドが舞台のものがあるそうで、
学業ができたことによって兄弟から差別を受けてしまい、今は工場で働かせられてる青年がいるとのこと。

ちがけんさんは、その実態を追うために、今年の夏、インドへ行くというのです。「それ、どうやってアポ取るんですか?」と聞くとアポは取らないとのこと。てか、取れない、のか。

 

とりあえず行って人づてに聞いてみて、もし会えたらもちろん撮るし、たとえ会えなかったとしても、その空気感というか、その場に残るものを撮る、というのです。




これまたストーリーのある作品ができそうで楽しみですね。遠いインドの地で、ちがけんさんがファインダーを覗く様子が浮かんできます。

 



一同、楽しく話を聞かせてもらいました。

 

さてさて、続いては潮美姉さんのパートです。

しかし、この二人、同じような色合いですね。



VISION GLASS で働く潮美さん。
グラスを輸入・販売しているご夫婦と、
潮美さんの3人で活動しているそうです。

ちなみに、、VISION GLASSの生産地は、なんとインド。

ゲスト二人の共通点はここにありました。

 

 


現在の組織は3人しかいないから何でもやるんです、ということでしたが、スキルがないと何でもできないわけで潮美さん、これまで色んな道を歩んだ結果そのスキルが培われてきたようです。

 

こちらが、VISION GLASS です。


透明でフラットなつくり。

フラスコと同じ素材のようで、直火でも大丈夫のようです!すごい。

 

 

 

 


このVISION GLASSですが、

 

ご夫婦が2011 年初夏にインド最北部の町レーの小さなカフェで見つけ、その日から3日間マーケットを歩きまわり、ようやく見つけたVISION GLASSを手に帰国し2013年、日本への輸入を決めたプロダクトだそうです。

ここにいたるまで道のりがあったんですね。

 

 

 

 

さてさて、話は潮美さんに戻ります。


キャリアのはじまりは、大学時代。

 

大学生の頃、シルバーアクセのブランド「JAM HOME MADE」を地元の友達から教えてもらい、2人で買い物をしに行くと、2日後くらいに店長さんから電話が来たそうで、バイトのお誘いをもらって二つ返事で働くことになったそうです。



当時は7人ぐらいしか社員がいない状況だったようですが、プレスの方が転勤するタイミングとも重なり、潮美さんとその友達の方が二人でプレスをし始めたようです(のちに潮美さんが一人でプレスを担当していた)。


JAM HOME MADEでは、
大学を卒業してもまだ働いていたそうですが、その後、トゥモローランドに転職します。

 
トゥモローランドで働いた後は、縁あって「co-lab」のコミュニティファシリテーター
として働くことになりました。これまたこれまでとガラッと違うお仕事。

 

ただ、コミュニケーションを取ることが好きという潮美さん。対面で人とやり取りをしながらコンテンツをつくったりするお仕事は得意なんでしょうね。

 


ちなみに、トゥモローランドで働きながら仕事を探してる時、忙しすぎて面接に行く時間が取れずに諦めかけていると、たまたますぐ裏あたりのマンションに代表が住んでいて、マンションのラウンジで面接してもらえたという運命的なものもあったそうです。縁ですね。


 

 

 

 

 

と、そんな感じで、いろんな仕事の中で

求められる役割を担って行った結果、

広報、接客、コンテンツ/場づくりなど

気づいたら様々なことを経験してきた感じのようです。



あ、そうそう。対面でのコミュニケーションが好きということで、BARでも働いているとのこと。ミュージックバー「 道」という湯島にあるとこです。

 

副業とかなんとか注目されているようですが、こうして自然と自分のやりたいことをフラットにやっている生き方は、なんだか見ていて気持ちいいですよね。


VISION GLASSでは店舗があり、その店頭では接客もしているそうなので、冒頭の「なんでもやっている」のは

なんでもやれるという事なんだなぁと思いました。こういうバイプレーヤーがいると、ホント助かりますよね。 

マルチ!



ひとつ宣伝ですが、VISION GLASS JPの最新の活動に、こうした海外発のプロダクト等の、普通に使えるものなのに、日本の基準になると途端にB品扱いされるものなどを集めた

NO PROBLEM 展」(こちら)を開催しているとの事です!

(7月17日までgood design marunouchiにて、7月29日(土)〜8月13日(日)までは神戸で開催されるそうです)

これ普通に行きたいし、NO PROBLEMってとてもいい概念ですよね。

 

 
※画像はVISION GLASS JPさんより
 






そして、


話はタケが最近ハマってるという

「先祖」の話へ。

 

先祖にハマるってなんだよ、という感じですが、ここから、この4人の関係性が変わっていきます。



昨年、実はタケの高祖父(ひいひいおじいちゃん)が浅羽靖という北海道にある「北海学園」の創始者(!)だったという事が判明します。

判明というのは、タケが初めて知ったという事でお父さんは「あれ?お前に伝えてなかったっけ?」という感じだったようです笑 そんな事あるかー的な話ですね。自分だったらかなりびっくりするなこれ。

 

 


似てます。

 

 

おもしろすぎるだろ、それ。


タケは、そこから自分の先祖について
強い興味を持ったそうで、親や親戚から情報を集め、自分で家系図も作って見たそうです。


これは、なんだか面白そう。

 

 

しかも、いろいろと聞いていくと
曽祖父は戦時中に満州へ渡り、

なんとそこで蕎麦屋(!)をしていた模様。



 


一同、柳瀬家の家系図を興味津々。



と、そんな我々のルーツの話に強い反応を示したのが潮
美さん。

もう終電近いから言おうかどうか迷ったんだけど、、
まさに最近、すごくびっくりした事があって!

 

 



たまたま誘われて、それまで行った事のない福島の浜通りにある
楢葉町(ならはまち)というとこで地域のプロジェクトに携わっていた潮美さん。



こちら
何気なく訪れ仕事をしていただけなのに、、ひょんなことから最近になって、母の本籍地が結婚するまで楢葉町だったことを知ったそうです!驚いて話を聞いてみると、母方の高祖父(ひいひいおじいちゃん)が楢葉町で生まれ育ったというのです。

 

縁もゆかりもない場所と思いきや…実は魂が呼ばれていたんだぁと、とてもびっくりしたそうです。ロマンチックな話です。



それ以来、潮美さんも先祖について
とても関心があったようで。

だから、タケの話を聞いてびっくりしたとのこと。

 

 

 

そして、さらに、「俺も実は…」とちがけんさんがおもむろに取り出したのは、ちがけんさんのおばあちゃんの写真!

 

2013年から自分の祖母についてのプロジェクト(こちら)をしているそうです。

 

 

これは先祖ブームなのか、30を過ぎると…的な世代的なものなのか。そういう私も、最近、実家「富川屋」の

じいちゃんが市場でセリを仕切っている写真を入手して盛り上がっていたところで。



 

なんだか、そういうタイミングなのかもしれませんね笑

皆さんはどうですか?先祖で盛り上がってますか?

 




家系図アプリとか先祖Tシャツとかもあったら面白いし、もしかしてfacebookより、family bookじゃない?とタケ。

 

 

自分の先祖を登録すると私の先祖はAです。Aが先祖の人はBも先祖の可能性がありますとかそういうリコメンド機能とかあったら面白いよね、と。それ超面白い。

 

 

あと、歴史の勉強とかも、縄文時代からではなくて、まず自分の親や先祖を調べ、その時代はこうだった、ということを勉強した方がよっぽど理解できるよね、という話になりました。それは間違いなくそう思う。

 

 


先祖話が尽きないところで
そろそろ終電の時間。

最後は、先祖の話でかなり盛り上がりました。

 

 

 

 

最後は、みんな先祖は一緒かも?ということで家族写真を撮ることに。(タケ、このために白Tに着替え済み)



いい感じに家族感が出てますね。この写真がルーツとなってまた別の未来で何かの縁が生まれたりして。

 

 


そんな感じで1年ぶりの、ゆらしナイトおしまいです。

 

 

今宵も楽しかった!

 


また、ぼくが東京にいるタイミングで

開催できればと思います。

それまでは、遠野と東京で
ゆらしていこう。

では、長々とありがとうございました!
また会える日まで!